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中央集権型取引所とは?|COTONOCA Academy

要約: 中央集権型取引所(CEX)は、民間企業によって運営が行われる取引所。投資家に代わって資産を保守管理する金融機関、つまりカストディアンに該当します。本人確認やマネーロンダリング防止対策などの各国の規制を遵守し、法定通貨を用いた暗号資産の売買を行うことができます。

中央集権型取引所(CEX: Centralized Exchange)は、民間企業によって運営が行われる仮想通貨取引所です。CEXは、投資家に代わって資産を保守管理する金融機関、つまりカストディアンに該当します。

TradFi(伝統的金融)において、上場企業の株式は証券取引所で取引されます。証券取引所は、買い手と売り手をマッチングさせる中央集権的な存在です。どの資産を上場させるかの決定権を持ち、場合によっては取引に制限をかけます。暗号資産の取引においては、CEXが証券取引所と同じノウハウで運営されています。

CEXは金融サービスを提供しているため、本人確認(KYC: Know Your Customer)や、マネーロンダリング防止対策(AML: Anti Money Laundering)などの各国の規制を遵守します。検証の充分でないトークンがCEXに上場されないのは、投資家をパンプ・アンド・ダンプなどの違法行為からユーザを保護するためです。政治的理由などから、ユーザの所在地によってアクセスがブロックされる場合もあります。

CEXでは法定通貨を用いた暗号資産の売買を行えます。そのため、オンランプ(法定通貨から仮想通貨への交換)、またはオフランプ(仮想通貨から法定通貨への交換)にCEXを用いることができます。分散型取引所をメインに利用するDeFiユーザも、このようなCEXの使い方をする場合が多いです。

CEXでの取引には、CLOB(Central Limit Order Book)などが採用されています。CEXでの取引はオフチェーン(ブロックチェーンの外部)で行われるため、DEXよりも高速な場合が多く、ガス料金を支払う必要がありません。その代わりユーザは、取引手数料を支払う必要があります。

ユーザが入金した資金は、事実上CEXの管理下に置かれます。そのため、CEXがユーザの資金・資産の出金を停止する措置を取った場合、ユーザはそれに逆らうことができません。CEXは、資産を管理する責任を負いたくないユーザにとっては有益ですが、リスク面で考えると、自身のウォレットで資産を保管する方が資産を失う確率は低くなります。