要約: マイニングは取引記録の正しさを担保するための、暗号生成の一連のプロセスです。取引記録を集め、ブロックを作り、そのブロックをネットワーク上の各端末に配信する過程でブロック報酬、つまりマイニング報酬を得ることを言います。ブロック生成にかける時間は銘柄毎に様々です。
マイニングとは、ブロックチェーンネットワーク上の取引記録を承認するための暗号を生成する一連のプロセスです。具体的には、取引記録を集め、ブロックを作り、そのブロックをネットワーク上の各端末に配信する過程でブロック報酬、つまりマイニング報酬を得るプロセスをマイニングといいます。
マイニングの役割は、取引記録の正しさの担保と、仮想通貨の新規発行です。
演算(※)に成功してブロックを作成したマイナー(採掘者)は、マイニング報酬を貰います。
なぜマイニング報酬が貰えるのかというと、演算に成功したマイナーがブロックを作成する際、そのブロックの記録の先頭に、マイナー自身が報酬を受け取るための取引記録を追記できるからです。ここで受け取る報酬の金額は、ビットコインの場合、約4年ごとに半減する仕組みになっています。
マイナーが受け取る報酬は「マイニング報酬」のほかにも、「トランザクション手数料」があります。マイニングで承認されたトランザクション(取引データ)に設定された手数料は、マイニングに成功したマイナー、つまりブロック作成者に、マイニング報酬とともに支払われます。
ビットコインでは、10分間で1つのブロックが作成されるよう、マイニングのスピードが調整されます。暗号を生成するための条件が易しくなったり、厳しくなったりと、自動的に変化するのです。この暗号生成の難易度は、ネットワークに参加する人数、つまりマイナーの数によっても上下します。
さまざまなマイニングサービス
Proof of Work(PoW)というコンセンサス・アルゴリズムにおいては、マイニングの成功確率は各マイナーの計算力に比例します。これは、個人のマイナーに不利な条件です。
そこで登場したのがプールマイニング。自分のパソコンのマシンパワーをインターネット経由で提供、間接的にマイニングに参加して、その計算力に応じて報酬を受け取るサービスです。複数のマイナーが協力のもと採掘を行い、マイニング報酬を分け合うことで、結果全員の報酬の期待値が高まるという保険的な方法です。
そのほかにも、クラウドマイニングというサービスがあります。大規模な施設を建設してマイニングを行っている企業やマイニングプールに出資して、マイニングを代行してもらい、配当を得る方法です。
クラウドマイニングは、自分でマイニングを行う必要がないため、高価な機材も専門知識も必要ありません。しかし、マイニングを代行してくれる企業への手数料をそのぶん支払わなくてなりません。クラウドマイニングというサービスを購入する、一種の投資であると考えると分かりやすいでしょう。
※PoWブロックチェーンのマイニングで行われる演算とは、具体的には、ハッシュ関数にナンス値の代入を繰り返し、閾値以下のハッシュ値を算出するナンス値を見つける作業を言います。別の言葉で説明するのが難しいのですが、「神視点で全人類と個別面談中、自分と上下お揃いの服を着た自分の入室を待つ」くらい低確率の作業だとお思いください。閾値は定期的(ビットコインの場合、2016ブロック毎: およそ2週間毎)に変更され、仕様どおりのブロック生成時間に近づくよう調整されます。つまり、暗号生成(ナンス値の発見)難度が変わり、マイニング速度が変化します。
1ブロックあたりの生成時間の例: Bitcoin=10分、Ethereum=15秒、Ripple=3.5秒、Litecoin=2.5分