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Proof of Stakeとは?|COTONOCA Academy

要約: PoSは暗号資産の保有量によってマイニング成功率が決定するコンセンサス・アルゴリズム。資産をロックする人は、そのネットワークの価値を落とさない前提のうえに成り立つ仕組みです。PoSのマイニングはステーキングと呼ばれ、電力消費量が少なく処理の速いことが特徴です。

Proof of Stake(PoS)は、暗号資産の保有量によってマイニングの成功率が決定されるコンセンサス・アルゴリズムです。コンセンサス・アルゴリズムとは、チェーン上にブロックを追加する際に全てのマイナー(採掘者)が従う、合意形成のルールです。

2022年9月16日のThe MergeアップグレードでPoSへ移行したイーサリアムは、ローンチ時点ではProof of Work(PoW)というコンセンサス・アルゴリズムを採用していました。

PoSのマイニングは「ステーキング」と呼ばれています。

システム全体の計算力と自身(マイナー)の計算力の比で報酬の獲得量が左右されるPoWと異なり、PoSではステーキングしたネイティブトークン(ネットワーク固有の仮想通貨)の量によって報酬額が変化します。PoWのマイニングのように膨大な計算を必要としないため、電力消費量が少なく処理速度の速い仕組みです。

PoSには、保有量の多い一部のユーザが報酬を得やすい不平等が生じたり、暗号資産をロックアップする仕組み上、流動性(交換のしやすさ)の低下が生じたりするなどのデメリットも存在します。

バリデータとデリゲータ

ステーキングする人のことをバリデータ(検証者)と呼びます。バリデータはステーキングを行うことによって新規ブロックの検証プロセスに参加し、仮想通貨を報酬として定期的に受け取ります。

マイニングほどの特別な機材は必要ありませんが、ステーキングを行うのにもハードウェアが必要です。機器が増えれば、その置き場所も確保しなくてはなりません。そういった、バリデータになるための資金を持たない人でもステーキングに参加する方法として、既存のバリデータ(検証者)に仮想通貨を預託して、ステーキングを代行してもらうというサービスがあります。

この、バリデータを通じてステークする人のことをデリゲータ(委任者)と呼びます。デリゲータはバリデータに仮想通貨を預け、バリデータがステーキングで得た報酬から取り分を受け取ります。

ネットワークを保護する仕組み

PoSという仕組みを成立させる核となるのは、「ネットワークに資金をロックアップする人は、そのネットワークの価値を落としたくない」という前提です。

もしネットワークの健全性が失われた場合、ステーキングしている仮想通貨の価値も同時に失われます。バリデータとデリゲータが利益を得るためには、ネットワークの保持に貢献する必要があります。このように、貢献することと不正行為を働くこととを天秤にかけたとき、自然と前者を選択する仕組みになっています。

さらに、バリデータが違法行為や悪意ある行動を行った場合、ペナルティとしてステークされた仮想通貨の一部が取り上げられます。また、スラッシングという、バリデーション実行時のミスに課せられるペナルティもあります。これらのこともネットワークを保護する効果に繋がっています。

バリデータによって年収率(APY: Annual Percentage Yield)に差がある理由は、バリデータのステーキングしている仮想通貨の総量や、デリゲータに課される手数料がバリデータごとに異なるためです。

バリデータの例: Blockdaemon、Chorus One、Everstake、Figment、Stake Capital、stakefishなど