レポート

【おすすめ】DEX/CEXアグリゲーター特集

仮想通貨、どこでご購入されていますか?

私は主に、CEX(Centralized Exchange: 中央集権型取引所)を利用する場合が多いです。DEX(Decentralized Exchange: 分散型取引所)はときどき使っています。

今日は、日に日に利用者の増えてきている仮想通貨取引所のアグリゲーターをいくつかご紹介します。「Aggregate」は日本語だと「集める」の意味です。アグリゲーターの基本的なサービス内容は、複数の取引所やプールから価格情報を自動的に収集し、ユーザにそのときの最安値を提供するというものです。

ご自身の戦略に合ったアグリゲーターを見つけて、上手に資産運用していきましょう〜。

アグリゲーター紹介

早速DEX/CEXごとにアグリゲーターをご紹介していきます。「DEXって何?」って方は、次の項目「DEXとアグリゲーター」を先にお読みいただいてから戻ってきてもらえると内容が伝わりやすいかもしれません。

DEXアグリゲーター

1inch

1inchは指値注文のほか、イールドファーミング機能を提供しています。取引、入金、引出の手数料は不要ですが、注文が処理されたDEXの手数料は請求されます。スワップできるペアが非常に多いことが特徴です。

Ethereumで構築されていますが、ガバナンストークンを用いてガス代の影響を抑えられます。1inchは2020年8月にBinance Labs、Galaxy Digital等から280万米ドルのシード資金を、2020年12月にPantera Capital等から1200万米ドルの資金を調達した、業界を代表するDEXアグリゲーターです。

ParaSwap

ParaSwapは様々なプール・DEXから流動性を調達し、スワップの他、ステーキング、イールドファーミングを提供しています。トランザクションがハードウェアウォレットなどのサードパーティを経由しない限り、取引手数料は無料、ガス代のみがかかります。ハードウェアウォレットはLedger/Trezorともに対応しています。

Matcha

MatchaはEthereum上に構築された、0xLabsの開発したDEXアグリゲーターです。

Matchaと統合されたDEXのリストはこちら。The Blockのインタビューに対して、0xのマーケティング責任者であるMatt Taylor氏は「Matchaは仮想通貨業界におけるロビンフッド(米国で人気の株取引アプリ)を目指している」と明かしました。その言葉のとおり、Matchaの最大の特徴は徹底的にユーザフレンドリーな作りです。シンプルでわかりやすいインタフェースをしています。

Fire Salamander

LCXは個人・機関投資家向けのリヒテンシュタインの仮想通貨取引所です。世界経済フォーラムのメンバーであるLCXは、2022年6月2日の公式発表でCrypto Valley Associationのメンバーに加入しました。

Fire SalamanderはLCXの提供する、Uniswap上に構築されたDEXアグリゲーターです。Uniswap V2、Uniswap V3、Sushiswap、Kyber DMM、Defi Swap、Luaswap、Youswap、Link Swap、MiniSwap、SakeSwapなどから最良の価格を検索します。チャート表示、指値注文に対応しています。

CEXアグリゲーター

SwissBorg

SwissBorgはBinance、Kraken、LMAX、HitBTC、及びBitfinexの取扱銘柄を扱うCEXアグリゲーターで、通貨の取引ペアは1,896種類にも上ります(2022年7月10日現在)。サポートしている通貨はこちら

CEXアグリゲーターとして優れているだけでなく、ガバナンストークン$CHSBを一定額購入することでステーキングの利率が上がる報酬制度が用意されているなど、長期投資向きの機能も備わっています。この報酬制度は、以前仮想通貨ウォレットの特集記事でご紹介させていただいたAtomic Walletとよく似た報酬体系です。あちらも、ガバナンストークンを購入するとランクが上がってリターンが増える仕組みでした。

下のリンクからSwissBorgスマホアプリをダウンロードすると、最大€100相当の$CHSBトークンがプレゼントで受け取れます。トークンはご入金後に受け取れるようになりますのでお気をつけください。

なお、SwissBorgに入金する流れは仮想通貨と法定通貨で異なります。法定通貨での入金は手数料が高くWiseを使う手間が掛かるのですが、仮想通貨での入金は手数料が安く手間もクリプトの購入と大差ありません。

(CEXから仮想通貨を入金する手順)

  1. 国内銀行から国内の仮想通貨取引所に日本円を振込
  2. SwissBorgの取扱銘柄、且つ送金手数料の安価なクリプトを購入 ※XRPなど
  3. SwissBorgの口座にクリプトを送金

(法定通貨を入金する手順)

  1. 国内銀行からWiseを経由、SwissBorgの取扱法定通貨に日本円を換金して送金
    Revolutによる送金はご利用いただけません。送金拒否されます。
    ※2022年7月10日現在、SwissBorgは日本円を取扱っていません。
  2. SwissBorgでクリプトを購入

LCX Terminal

LCX TerminalはLCXの提供するサービスのひとつで、BinanceやCoinbase Pro、Kraken、KuCoinなどの16の仮想通貨取引所(2022年7月9日時点)での取引をひとつのターミナルで行えます。

ただし、このサービスには今のところ自動的に最安値を検索する機能はありません。感覚的には、1inchよりもZapperに近いかもしれません。どちらもアグリゲーターと呼ばれますが、ひとつの取引を複数取引所間で分割する1inchに対して、Zapperはひとつの取引が複数取引所間で分割されることはありません。

LCX Terminalの特筆すべき点は、仮想通貨市場のソーシャルデータ分析における第一人者LunarClushとの連携です。LCXとLunarClushは2020年6月にパートナーシップを結んでおり、LCX TerminalにはLunarClushの一部の分析機能がそのまま搭載されています。(Galaxy ScoreもAlt Rankもある!)

お話がすこし脇道に逸れますが、LCXの技術協力パートナーに、あらゆるブロックチェーンに相互運用性をもたらすQuant Networkの巨大な存在があります。2021年4月のQuantのプレスリリースにあったように、QuantのOverledgerテクノロジーを通じて、LCXの暗号資産・セキュリティトークン・NFTなどのさまざまな商品がCBDCやステーブルコインで決済できるようになります。

LCXのサービスにはほかにも、NFT化した実物のダイアモンドを販売するTiamondsがあります。米ドル一強の時代から移り変わりつつある今、実物資産の需要はますます高まっていくことでしょう。そこに紐づけられるトークンに、流行り廃りでは量ることのできない価値を見出す力がさらに大切になってくるように思います。

CeDeFiアグリゲーター

OpenOcean

OpenOceanはDEX/CEXから流動性を調達するCeDeFiアグリゲーターです。ガバナンストークン$OOEを用いた流動性マイニングに対応しています。今後予定されているサービスに、デリバティブ、レンディング、保険、知的財産管理などがあるそうです。現在サポートされている取引所はこちらで参照できます→DEX/CEX

Orion Protocol

Orion ProtocolはOpenOceanとよく似たCeDeFiアグリゲーターです。ガバナンストークン$ORNはステーキングと流動性マイニングに利用できます。ブローカー、対応ネットワークなどの情報はこちらのページが参考になります。MoonPayによる法定通貨の支払いは、日本はサポート対象外です。

Unizen

Unizenは規制準拠に徹した、安価・高速なCeDeFi取引所です。Binance Cloud、Uniswap等を流動性プロバイダに追加したことで、ユーザはプラットフォームから離れることなく、あらゆるデジタル資産へアクセスし、仮想通貨取引所間の資金移動を行えるようになりました。

Unizenには動的イールドステーキング、AIによるソーシャルトレードセンチメント、クロスチェーン取引集約アルゴリズム、Binanceとの流動性共有、DAppオンボーディングなどの機能が実装されています。

証書となるNFTを購入・利用してガバナンストークン$ZCXのステーキングを行うDMAS(Dynamic Multi Asset Staking)を利用することで、ステーキング報酬を$ZCX以外のトークンで受取ることができますが、$ZCXがERC-20規格の為、相当額を掛けない限りガス代分を回収するのが現状では困難です。

RocketX Exchange

RocketX ExchangeはBinance、1inch、ParaSwap、Uniswap V3などを統合したCEX/DEXアグリゲーターです。マルチチェーンでETH/MATIC/BSCに対応しています。ガバナンストークン$RVFはロック期間ありでステーキングできます。DEXアグリゲーターのアグリゲーター、という立ち位置が面白いです。

DEXとアグリゲーター

DEXは中央当局や第三者の関与なしに運営される、分散型の仮想通貨取引所です。

非中央集権型のため、ユーザは取引に用いる資金を完全にコントロールできるほか、CEX特有のリスク、例えば倒産による資産喪失、取引所の管理者へのハッキング、個人情報流出などを回避できます。DEXにはCEXのようなKYC(Know Your Customer: 本人確認)や出金制限がありません。地域による利用制限が設けられない限り、ウェブブラウザから自身の仮想通貨ウォレットを接続すれば誰でも利用できるサービスです。

CEXのように高額の取引手数料を徴収することはありませんが、その代わりにブロックチェーンを動作させるためのガス代をユーザが負担しなくてはならない場合が多いです。また、流動性の低い通貨のペアほどスリッページ(注文価格と約定価格の差)が発生しやすいため、価格と取引ボリュームを事前に調べなくてはなりません。アグリゲーターの登場以前は取引の際、複数のDEXを都度調査する必要がありました。

複数の流動性プールをひとつのプラットフォームからまとめて参照するアグリゲーター登場のおかげで、取引所間の価格差と、取引ボリュームの影響によるスリッページを気にせずに取引できるようになりました。

アグリゲーターの先駆けである1inchが作られたのは、まさにこのリサーチに費やす非効率な手間を解消するためだったとCTOのAnton Bukov氏は話されています。また、「1inchの最初の顧客は、私とSergej(Sergej Kunz氏)でした」とも。つまり、自分が欲しかったから作った、というわけです。

DeFiで発展したこれらの技術は、CeFiやCeDeFiの分野でも活用されています。

あとがき

今日のお話はインターオペラビリティ(相互運用性)に大きく関わる内容でした。

仮想通貨取引所のアグリゲーターはDeFi、CeFi、CeDeFiの各分野でその裾野を広げ続けています。もし触られるのが初めてでしたら、有名どころの1InchExchangeやParaSwapから始められてみてはいかがでしょうか?

ご紹介したアグリーゲーターはMetaMaskを利用できるサービスが多いですので、もしまだインストールしてないよ、って方は以下の記事をみながら導入してみてください。

DEXのデータ分析・測定値の確認にはDune Analyzeのこのダッシュボードがお役に立つと思います。

ご利用の際はどこか一箇所に集中するのではなく、複数の取引所を利用してリスク分散させましょう。

とくに、流動性マイニングやステーキングなどで取引所を長期利用する場合はそのように運用するのが安全だと思います。取引所にKYCがあると登録に手間がかかりますが、お金の出入り口を複数確保していたおかげで助かる事例、得られる機会もあります。リスクを常に気にしながら、管理できる範囲で利用していきましょう:)

ブロックチェーンについて学ぶための知識を、下の記事にまとめています。

コトノカアカデミーでは、ブロックチェーンを全く知らない方でも一から学習していただけるよう、専門用語をなるべく使わず、わかりやすい内容を心がけています。

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