レポート

XDCドメインの購入方法|XDC Web3 Domains

XDC Web3 Domainsをご存じですか?

暗号資産のウォレットアドレスを、読みやすい文字列に置換できるサービスです。

アドレスを好きな文字列に設定することで、誤送信の防止や、利便性向上に役立てることができるほか、ネットワーク上における自身のアイデンティティを確立させる、ニックネーム的な用途にも使えます。

有り体に言えば、Ethereum Name Service(ENS)のXDC版ですね。こうした、インターネットを再定義するWeb3的なサービスの重要性は、分散型ネットワークが世間一般に広まるほどに増していきます。

Googleによる2020年10月の分析では、中央集権型のネットワークシステムに対する中国のインターネットサービスプロバイダーからの攻撃は、過去最高の18万件に達したといいます。

ウォレットとドメイン名の紐付けが分散管理されるXDC Web3 Domainsのようなサービスは、そういった中央集権型ネットワークで起こる攻撃、例えばハッキングなどの対策として有効な手段です。

ではさっそく、XDC Web3 Domainsの簡単な説明と、ドメインの購入方法をご紹介していきます。

XDC Web3 Domainsとは?

XDC Web3 Domainsは、XDCネットワークにおけるネームサービスを提供している企業です。

創設者兼CEOのHerry Vu氏、共同創設者のKyra Nguyen氏を含めて、XDC dApp Summer Hackathon受賞時点で社員6人・パートタイマー5人のチームです。

2022年5月にXinFin公式によって開催されたXDC dApp Summer Hackathonで、XDC Web3 Domainsは「開発者フォーラムMVP第1位」「特別賞」の2冠を受賞しました。

ユーザは、IPアドレスとドメイン名を紐づけるDNS(Domain Name System)のように、XDCのウォレットアドレスに任意の文字列を紐づけることができます。普遍性の高いものであれば、絵文字も対応しています。

今回購入したドメインを例にしますと、「xdc592379fd0adae0c55050249bce32abbd78f01cce」をドメイン「miyako.xdc」として扱うことができます。すごくすっきりしますよね。

ユーザはサイト上で好みのドメイン名を入力して、その文字列が未取得かどうかをチェックします。

それがもし未取得であれば、指定額のXDCを支払ってそのドメインを発行できます。一度購入したドメインに更新料がかかることはなく、XDCネットワークが存在する限り、永久に購入者のものになります。

ドメインはXRC-721規格のNFTとしてミント(鋳造)されます。XRC-721はERC-721の互換です。ミントしたNFTの所有権は、ミント時点では発行者にありますが、ほかのNFTと同様に譲渡可能です。ちなみに、XRC-721規格のトークンですので、ERC-4907規格準拠のトークンのようにレンタルすることはできません。

また、メインで設定できるドメインは1つのみですが、複数ドメインを無制限に購入できます。

今後のロードマップとしては、NFTアバターの設定機能や、プロフィール(およびホームページやSNSのリンク)作成機能、NFTのギャラリー機能、ドメイン所有者へのユーティリティトークン$xdcdのエアドロップ、ステーキングとファーミングの提供、買い戻しとバーン、中央集権型取引所への上場などが予定されています。

ドメイン名の取得は早い者勝ちなので、もしどうしても使いたい名前があるのなら、早期のご購入をおすすめします。そうすることで安価に入手できて、エアドロップなどの報酬を得るチャンスにも繋がります。

2022年9月29日にXDSeaとのパートナーシップが発表されました。この提携によって、XDSeaに表示されるウォレットアドレスが簡略化された「.xdc」のドメイン表示に切り替わります。また、ドメインの売買が行えるようになります。

XDCドメインの購入方法

購入手順

XDCドメインの購入方法をご説明します。

まず、XDC Web3 Domainsトップページの「Launch App」を選択します。

次に「Select Wallet」を選択、任意のウォレットで接続します。

2022年9月30日時点ではD’Cent Wallet、XDCPay、MetaMaskの3種類に対応しています。

接続に成功したらテキストボックスにご希望のドメイン名を入力、「Search」を実行します。

ドメインが未使用の場合は、次のような表示になります。

表示された価格で問題がなければ「Mint Now」を実行します。もし、別のアドレスに送る場合は「To (Recipient)」の欄にアドレスを入力してから実行してください。

ドメインの価格は、2文字が「80,000 XDC」、3文字が「12,000 XDC」、4文字が「2,400 XDC」、5文字以上が「400 XDC」です。なお、ドメインを取得できるのは2文字以上です。

つづいて、トランザクションを承認します。画像はXDCPayの表示です。

ミントに成功すると次のメッセージが表示されます。

「View Your Transaction」を選択すると、BlocksScanでトランザクションを確認できます。

以上がドメインの購入方法です。かんたんですね。

ちなみに、「Bulk Search」でドメインの一括検索を行えます。ドメインが利用可能かをまとめて調べるときに便利そうです。入力する文字列を改行してあげると、別のドメイン名と判定してくれます。

プライマリ設定

ドメインをミントすると、サイト上に表示されるようになります。

「Set Primary」は複数のドメインを保有している場合に、メインのドメインを選択する場合に利用します。実行にはガス代が必要です。(2022年9月30日時点で、0.000016 XDC ≒ 0.00007264 JPY)

ドメインの送信

ドメインを別のウォレットに送信する場合は「Send Domain」を選択します。

「To (Recipient):」にアドレスかドメイン名を入力して「Transfer Now」を実行します。こちらもガス代が必要です。(2022年9月30日時点で、0.000025 XDC ≒ 0.0001135 JPY)

ドメインの追跡

ミントしたドメインのトークンIDは「Find Your Domain」で確認できます。ドメインをミントした時点で接続していたウォレットアドレスを入力して「Search」を実行してください。

ドメインはBlocksScanのこちらのページで追跡できます。

「Token ID」列でミントしたドメインのIDを見つけて閲覧するとこんな感じです。

あとがき

以上、XDC Web3 Domainsのご説明でした。いかがでしたか?

実際に触ってみると、サイトのUIが使いやすく、とても良い製品だと感じました。

ただ、ひとつだけ残念なことがあります。転売の予防策を講じていない点です。

おそらくは転売目的でしょう、「sports」「book」などの普遍的な単語や「amazon」「google」などの企業名などのXDCドメインが、既に購入済みになっています。BlocksScanでドメイン(XWDトークン)ホルダー上位10名の保有割合を算出すると、全体の約41.1%にも達します。(2022年9月30日時点)

すこし話題は変わりますが、ハッカソンで同じく特別賞を受賞したXinFin Name Serviceは「.xinfin」ドメインを販売しています。元々「.xdc」だったのが、XinFinとの合意のうえで現在のドメインに変わったそうです。

調べたところ、Web Three Namesというマルチチェーンのネームサービスが母体になっていて、そのなかの製品のひとつがXinFin Name Serviceのようでした。そのほかのチェーンはHarmony、Boba、Astar Network、Shiden Network、Meter、High Performance Blockchainに対応しています。

XinFin Name Serviceは特別なドメインに限定して、自身のサイト上のマーケットプレイスで販売を行なっています。雑多な印象は受けますが、重要なドメインほど高額に設定している模様です。

ここで高額に扱われているドメインと同名の「.xdc」ドメインは、ほとんどが購入済みでした。実際にXDC Web3 Domainsでマーケットの全ドメイン名をBulk Searchにかけた結果は、こんな感じです。

文字数でのみ価格が決定されるため、あらゆるドメインが安価に購入されています。複数のドメインを無制限に購入できる仕様が、こうした転売目的の買い占めを蔓延させる原因となったことは明白です。

厳しい見方をしますが、ローンチの前段階で、こうなることは予測できたはずです。

例えば、複数ドメイン取得をロードマップの進行とともに徐々に解放する、あるいは、ドメインを実際に利用しているユーザに限定して2つ目以降のドメインを販売するなど、打つ手はあったはず。転売対策が難しいのであれば、この部分に限っては中央集権的な管理を排除する必要はなかったのでは、と思わずにはいられません。

さらに、こういった複数購入をXDC Web3 Domains自身が推奨しているともとれるアクションを、SNS上で取っていることも悪印象です。売上が上がればそれで良いというふうにも取れる不誠実さを感じました。ですがそれも、スタートアップの資金難がゆえの致し方ない経営判断とも取れる、微妙なラインです。

最後になりますが、マーケットでフェイクのXDCドメインが多数流通しているとの情報がありますので、もし今後マーケットプレイスでご購入される場合は、くれぐれもご注意ください。

こういった詐欺は今後さらに増えると思います。XDSeaなどの公式のマーケットでご購入される場合でも、コントラクトアドレスを確認して、本物であることを確信した場合のみご購入するようにしてください

以上、XDC Web3 Domainsのご紹介だったよ。最後までどうもありがとう!