Pi Networkという面白いプロジェクトがあるよ、っていうご紹介です。
記事の最後には、Pi Networkについて徹底的にデューデリジェンス(投資対象の価値やリスクを調査)を行った記事へのリンクを貼っておきます。プロジェクトを理解する助けになると嬉しいです。
私益のための勧誘や、買い煽りはしないから安心してね。
Pi Networkとは?
Pi Networkは、SocialChain Inc.の開発しているブロックチェーンネットワーク。
スマホ用アプリをインストールすれば誰でも無料で、その日からPiという仮想通貨をマイニング(採掘)できます。たくさんの種類がリリースされているマイニングアプリのなかでも、Pi Networkは最も古株です。
アプリはマイニング機器としての役目と同時に、Piを保管するお財布としての役割を果たします。
2022年5月20日の公式発表によると、世界のアプリユーザ数が3500万人に到達したそうです。
Pi Network上には市場が形成されており、さまざまなプロジェクトの開発がそれぞれ進められています。
例を挙げると、分散型SNS、マーケットプレイス、NFTプラットフォーム、電子書籍販売アプリ、スキルマーケット、フリマアプリ、食の知識を共有するサイトなどがあります。ほんとに、何でも揃っている感じですよね。
このように、Pi Networkで展開されているプロジェクトにはネット上だけで完結するビジネスだけでなく、実体経済と結びついたユーティリティベースのものが多いです。ネットワークへの参加が自由で、アプリを作れば誰でもビジネスを始めることができるところも、ひとつの魅力となっています。
PiアプリをインストールするとPi Browserというオリジナルのウェブブラウザが利用できるようになるのですが、そこで各プロジェクトの情報を検索・閲覧することができます。数多あるプロジェクトのなかでも、ハッカソン参加者のプロジェクトはとくに将来を期待される声がおおきいです。
以上のような、Pi Network上に構築されたマーケットで利用される基軸通貨がPiです。
Pi Networkを支える技術
ビットコインのマイニングには、環境問題について言及されるほどの多大な電力を要します。そのため、PoW(Proof of Work)の仕組み上欠かせないマイニングに対して、あまり良い印象をお持ちでない方もいらっしゃると思います。しかし、その電力消費量はじつはブロックチェーンによって様々です。
Pi NetworkはStellar Consensus Protocolを用いることで省電力なマイニングを実現しています。日本国内で仮想通貨取引所に上場しているStellar Lumensの、あのStellarです。実際にアプリでマイニングを行なっても電池の減りが早くなるような感覚はありませんし、スマホの動作が重くなるような現象も起こりません。
Pi Networkの分散型台帳は、パブリック且つパーミッションレスです。
パブリック(公開台帳)なのでライセンス不要で誰でもアプリを作って稼働させることができますし、パーミッションレス(非許可型)なので誰でもノードを立ち上げることができます。ネットワークが多数のノードによって保守され、アプリ開発者が増加し続けている理由は、この間口の広さにあるのかもしれません。
ご参考までに、分散型台帳を4つに分類して、その該当例を挙げた表を置いておきます。
– | 許可型(Permissioned) | 非許可型(Permissionless) |
---|---|---|
公開 | Ripple、EOS、Hedera Hashgraph… | Bitcoin、Ethereum、WAVE… |
非公開 | Hyperledger Fabric、Enterprise Ethereum… | Holochain、LTO Network… |
マイニングは24時間に一度、アプリを開いてボタンを押すだけで実行されるよ。マイニング中にPi Networkのアプリが起動していなくても、マイニングは継続されるよ〜。
Pi Networkのトーケノミクス
上3つの画像は、どれも2021年12月のホワイトペーパーからの引用です。
テキストには太字で、最大供給量が1000億Piであることが記されています。
円グラフはコアチームとコミュニティのトークン割合を表しています。コアチームに20%(200億Pi)が、コミュニティに80%(800億Pi)がそれぞれ割り当てられます。
表にはコミュニティに割り当てられたトークン800億Piの内訳が記載されています。マイニング報酬に650億Piが、流動性プールに50億Piが、財団に100億Piがそれぞれ割り当てられています。
流動性プールは、マイナーやアプリ開発者等に流動性を確保し、エコシステムを健全に保守するために利用されます。財団の割り当てはEthereumやStellarと同様、Pi Networkを保守管理する財団のための資産です。
マイニングレートは参加者の増加とともに下がり続け、マイニング可能なPiがなくなった時点でゼロになります。ネットワークに以下のように貢献することで、参加者は個々のマイニングレートを上げられます。
- Pi Networkのマイニングに他の人を招待する
- セキュリティサークル(最大5人)を構築する
- ロックアップ設定を行う、または現在のロックアップ量を増やす・期間を伸ばす
- アプリ開発者報酬を受け取る ※Pi Networkアプリ開発者限定
- 自身のKYC通過後に、バリデータとして他者のKYCを行う
トーケノミクスの詳細は、ホワイトペーパーなどの公式発表をご確認ください。
招待者の招待者からは報酬を得られません。つまり、直接招待した人数のみが、招待者数によるマイニングレートに影響します。また、KYCに通過できなかったユーザがいた場合、そのユーザの保有しているPiと、そのユーザの存在によって得られた他のユーザのPiはBurnされます(消滅します)。
Pi Networkの将来性
実体経済ベースの参加型ネットワーク
Pi Networkの将来に私の感じる魅力は次の3点です。
- ネット上だけで完結するビジネスだけでなく、実体経済と結びついたものが多い
- マイニング・アプリ開発・ノード実行などに誰でも参加できる
- 公平なガバナンスによってネットワークが保守管理されている
①②はここまでに書いたとおりです。③で個人的にものすごく驚いたのは、ウェブ上で多数決の投票を単に行って物事を決めるのではなく、各地域ごとに現地集合してFace to Faceの会合で決着をつける場合があるということでした。ほかのブロックチェーンプロジェクトでもこのような手段を使う場合があるのかもしれませんが、現実世界との結びつきの強いPi Networkととても相性の良い方法だと得心した覚えがあります。
Pi Networkの競合他社の不在
Pi Networkには競合他社が存在しません。
マイニングアプリには数多の種類がありますが、そこで用いられるユーティリティトークンの用途のほとんどは、例えばネットバンキングやゲームなど、特定の領域に特化したものです。実体経済と関連づけた、様々な職種に向けてエンタープライズなビジネスを行なっている点で、Pi Networkはかなり特殊だといえます。
広範囲のターゲットに向けたサービスを提供していることもあって、そのほかの企業と比較したときの市場規模は群を抜いているよ。
2022年6月28日にPi Networkのメインネットが開かれ、Piを用いた売買が開始されました。ビットコインで初めて購入されたのがピザだったことにちなんで、Piでピザを購入された方もいらっしゃったようです。
Pi Networkは将来、仮想通貨取引所へ上場する予定でプロジェクトが進行しています。メインネットの開かれたばかりの今は、Network内の閉じられた環境での売買に留まっていますが、遅かれ早かれ実体経済と結びつき、他と類似することのないサービスを今後展開していくことでしょう。
Stellarの実績はPi Networkの先例
Pi NetworkがSCP(Stellar Consensus Protocol)を利用していることは既にお伝えしました。
Stellarは世界各国で決済サービス提供、ステーブルコイン発行、金融資産トークン化などの事業を展開しており、とくにCBDCの領域ではウクライナのCBDC: e-hryvnia開発を進めるほか、ブラジルのCBDC: Digital Real開発プロジェクトにMercado Bitcoinと共に加わるなど、重要な役割を担っています。SCPが全うに機能したという実績は、それを利用するPi Networkにとって心強い後押しとなります。
ここで、こちらのニュースをご覧ください。2022年4月29日のYahoo! financeの記事です。「パナマはビットコインとその他8つの暗号の使用を『無制限』で承認する構え」(“Panama is poised to approve the use of Bitcoin and 8 other cryptos ‘without limitation’”)
WEF/WTOと歩調を合わせるかのように仮想通貨の規制法案を承認した、世界貿易の大動脈パナマにおいて使用を許可された仮想通貨銘柄は記事にあるとおり、Bitcoin、Ethereum、Algorand、Elrond、IOTA、Litecoin、Stellar、XRP、XDCのわずか9種類。そこにはISO20022と関わりの深い銘柄が並びます。
これらの仮想通貨が、パナマ運河の年間交通費26億ドルの支払いの一部に用いられるわけです。運河を航行する船舶は年間おおよそ13,000隻。法案で通された仮想通貨はもはや、パナマのインフラの一部です。
これまで各国の規制準拠に徹してきたStellarが、この規制された仮想通貨決済モデルの第一号として選ばれた事実は非常に重要です。今後世界的に起こる経済的変化に適応し、生き残っていく保証ともなりえます。
SWIFTの計画するISO20022完全移行に向けて、世界の決済機関は着実に歩を進めています。Fedwire、Clearstream、Euroclear、Target2、Target2-Securitiesなどの決済システムはすべてISO20022規格に基づいて稼働します。Pi Networkにとっては、この渦中にStellarが深く関与していることが重要なポイントです。ここで生じたコンセンサス上の課題やその解決方法は、Pi Networkにも将来生かされることでしょう。
あとがき
以上、Pi Networkのご紹介でした。
もしご興味を持たれましたら、ぜひPiのマイニングを始めてみてください。実際に触ってみることでその新しさに気づくことができますし、深く知れば知るほどほんとうに面白いです。
アプリは完全招待制なので、よかったら私の招待コード「TradeFennex」をお使いください。それと、Pi Networkをもっと知りたい方には、以下の記事「【徹底調査】Pi Networkは詐欺なのか?」もお読みいただきたいです。これは、Pi Networkをリスク重視の目線でデューデリジェンスしたレポートです。Pi Networkとその開発元企業であるSocialChain Inc.を徹底的に調査して、Pi Networkの全体像を浮き彫りにします。
遊びに来てくれてどうもありがとう〜。
ブロックチェーンについて学ぶための知識を、下の記事にまとめています。
コトノカアカデミーでは、ブロックチェーンを全く知らない方でも一から学習していただけるよう、専門用語をなるべく使わず、わかりやすい内容を心がけています。