NFTをトレードする際に利用する、おすすめのサイトを6つご紹介します。
そのどれもが、従来のNFTマーケットプレイスの各プラットフォームで購入するのとは一味違う、一歩進んだ体験を提供している興味深いサービスです。
NFTをご購入されない方や、今日お伝えするようなサービスを普段ご利用されない方でも、こんなことができるんだ、という発見があるかもしれません。
スワップ
sudoswap AMM

sudoswap AMMは、AMM(自動マーケットメイカー)を導入した分散型のNFTマーケットプレイス。2022年7月にローンチされた、ERC-20/721/1155トークンを取引できるP2Pプロトコルです。
従来のマーケットでは、売り手・買い手が見つからなくてはユーザはNFTを売買できませんでしたが、sudoswap AMMでは流動性プールによって、NFTを即時購入・売却できます。その際の手数料は0.5%と、他のマーケットと比較して安価です。
sudoswap AMM | 0.5% をプロトコルに支払う |
OpenSea | 2.5% をOpenSeaに支払う |
LooksRare | 2.0% をLOOKSステーカーに支払う |
sudoswap AMMでは、トークン(ETH)やNFTをプールに入金することで流動性を提供して、ほかのユーザが売買時に支払った手数料の一部や、スプレッドによる収益を獲得することができます。流動性プールでは、ボンディングカーブをカスタマイズして、提供するオーダーブックを調整できる画期的な仕組みが導入されています。
Editions(ERC-1155)を複数点出品する際、1つ売れるごとに残りの全NFTを指定した金額分値上げする、つまり、フロアプライスを任意に上げることもできます。なお、従来のマーケットと同じようにもリストできますが、その場合は購入者が見つかるまで売買は完了しません。
仕様詳細は、公式ページで確認できます。
NFTの取引に限っては一見良いことずくめのsudoswapですが、制作者に二次流通手数料(ロイヤリティ)が全く支払われない、というデメリットがあります。クリエイターの離れたプラットフォームが衰退しなかった事例は過去にありません。業界全体が二次流通手数料値下げに傾きつつありますが、これは、NFT売買が今以上に投機的なマネーゲーム化したり、コレクションを「売ってお終い」になるプロジェクトが増加したりする傾向に繋がりかねません。
以下の記事でAMMを解説しています▼
Gem

Gemは複数のNFTマーケットプレイスを集約した、NFTアグリゲーターです。初回版は2021年の春頃、Cross-Asset-Swapという名前でリリースされました。
OpenSea、Looksrare、X2Y2、NFTX、NFT20、Raribleなどで出品されているNFTを、Gemのプラットフォームから売買できます。NFTをカートに入れて一括購入できる仕様なので、1点ずつ購入・送信する場合よりもガス代が安価で済みます。また、NFTの一括送信にも対応しています。
Dune AnalyticsやBubblemapsをプラットフォームに統合しており、それらのグラフを各NFTページでそのまま表示できるため、オンチェーンデータを基にしたデータ分析を簡単に行うことができます。Rainbow、Trust Wallet、Argent、MetaMaskなど、100種類以上の主要なウォレットからGemに接続できます。
2022年4月に、GemはOpenSeaに買収されました。Gemは、買収後も独立した運営を続けることを公表しています。時間の経過とともに、Gemの主要機能はOpenSeaに統合されていくとのことです。
Genie

Genieは2021年11月にローンチされた、NFTマーケットプレイスアグリゲーターです。
OpenSea、NFTX、NFT20、Rarible、Looksrare、X2Y2、Coinbase、FoundationなどのNFTマーケットプレイスに対応しています。GenieもGem同様、NFTのまとめ買いに対応しています。
また、トランザクションの送受信に失敗したときのガス代が返却されるなど、親切な設計になっています。
GemとGenieの違いは、Dune Analyticsの「NFT Aggregator (Gem/Genie) Trending Overview」を見ると把握しやすいと思います。2022年8月末時点で、Gemのトランザクション数はGenieの倍以上あります。
物々交換
NFT Trader

NFT Traderは、NFTを交換するためのP2P取引プロトコルです。
取引にかかるガス代とサービス料金が実際に利用するうえでの最大のネックですが、2者間で確実にNFTの交換を行えるというメリットは大きいです。今後このようなサービスが活躍するかもしれません。
NFTの交換リクエストを出す場合の手順は次のとおりです。
- ウォレットを接続
- 取引相手を検索、選択
- 相手のNFTと、自分のNFTを選択
- 取引の有効期限を決める
- 注文を決定して、手数料を支払う
- 相手の取引承認を待つ
交換リクエストを受け取った場合の手順は次のとおり。
- 交換リクエストを選択 (拒否する場合は無視)
- 取引を承認、手数料を支払って交換実行
Swap kiwi

Swap kiwiは、NFT交換プロトコルです。所有しているNFT(とETH)を、他の誰かの所有しているNFTと物々交換できます。
NFT Traderとの大きな違いは、交換してほしい相手のNFTを指定できないところです。
アリスとボブが、お互いにNFTを交換したい場合を例に挙げます。アリスは交換したいNFTをウォレットから選び、ボブのウォレットアドレスを入力してスワップを提案します。ボブはアリスのNFTを見て、交換対象となる自分のNFTを選択、スワップを開始します。アリスはスワップの内容を確認して、スワップを拒否または承認します。これで取引完了です。
オークション
PartyBid

PartyBidは、NFTオークションのグループ入札を可能にしたプロダクトです。PartyDAOによって開発されました。
参加者同士が資金を出し合い、グループでオークションに入札、落札に成功した場合は出資した金額に応じたトークンを受け取ることができます。そのトークンは、Fractional.artのコントラクトで生成されたフラクショナルNFTで、落札したNFTの部分権を所有していることを証明するものです。
2022年8月現在、Zoraオークション、Foundationオークション、OpenSeaの即時購入、Nounsで入手可能なイーサリアムのNFTを購入できます。
※ERC-721のみ対応、ERC-1155はサポート対象外
フラクショナルNFTは、1つのNFTの所有権を複数人に分割する仕組みです。通常は分割できない、不動産などの所有権を分割するセキュリティトークンに近いような発想に基づく製品です。オークションで一個人がクジラに勝利することは困難ですが、PartyBidの登場によって、高額なNFTの一部を少額で所有できるようになりました。
面白いサービスがいっぱいあるね! 取引するNFTに応じて、適したサイトを選ぶ必要がありそうだよ。
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